ローレン・アイズリーというアメリカの作家が書いた『星投げ人』というお話があります。
『星投げ人』
海岸を散歩していると、少年がヒトデを海に投げていた。
何をしているのかと尋ねると、少年は
「海に戻してやらないとヒトデが死んでしまう」
と答えた。
わたしは
「そんなことをしても、海岸中がヒトデだらけなんだから、すべてのヒトデを助けられないし、意味がないだろう」
というと、少年は少し考え、またヒトデを海に投げた。
そしてわたしにこう言ったのだ。
「でも今投げたヒトデにとっては意味があるでしょ」と。
意味のあること
この文章を読んで、なんだかすごく深いお話だなと思いました。
たくさんいるヒトデを海に投げたとしても、キリがなく意味がないと思う主人公と、一つでもヒトデの命を救うことができることは意味があると思う少年の考え方を、わたしはどちらも持っているだろうと思いますが、その行為を意味がないと思うのではなく、意味があるのだと思うことの方が大切だろうと感じます。
その行為に対し、どうとらえるか?を考えさせられる文章です。
このお話は、大きなことから小さなことまで、いろいろな状況に当てはめて考えることができるお話だと思いました。
たとえば、道にゴミがたくさん落ちているとします。
「それを拾っても拾ってもキリがないから拾わずにそのまま放っておくこと」
「それを見つけた人が一つでもゴミを拾ってきちんとゴミ箱へ捨てるという行動をしたこと」
の道の状況は変わります。
その一人の行動でゴミを減らすことができ、それが積み重なることによりきれいな道になり、さらにその道は整備された美しい道を保つことができるかもしれません。
また、たとえ1円の募金でも、そのお金が積み重なることにより、どれぐらいの人たちを助けられるだろうと思います。
介護・看護というわたしの身近な仕事において、利用者さんや患者さんに行ったことに対し、お礼を言われることがない場合もあります。
そんな時に「この方のためにしてるけど、やっている意味がない」と言うスタッフの人がいます。
でも、その方のために行ったことは、必ず意味があるのだろうと思います。
また旦那さんや子供のために毎日家事をしている主婦の方が、「毎日毎日家事をしているけれど、何一つ感謝の言葉もないし・・・」と言っていました。
感謝の言葉を返されないと、自分が無価値に思え、むなしさを感じるかもしれないなと思います。
でも、それをしてくれるからこそ、旦那さんや子供たちは助かっているし、とても意味のあることではないかと思います。
あることを誰かのために、何かのために行ったところで、すぐにそれが感謝や何かの形としてわかることもあるかもしれませんが、時間をかけないと分からないことも多いのだろうと思います。
また、時間をかけないと分からないことの方がすごく大切なことなのかもしれないなと思いました。
小さなことが大きなことにつながる
すぐに結果が見えなかったり、感謝の気持ちがないと「ムダだ」「意味がない」と思いがちではあると思います。
でも、その小さな行動が目の前のもの、人のためになっているかもしれないということ、さらにはそれが大きなところにまでつながることもあるかもしれないと思います。
その一つ一つの行動を軽くとらえるか、大事なこととしてとらえるか、そういった物事に対するとらえ方が、人生を有意義なものに変えることができるのだろうと思います。
この文章を読んで、どんな小さなことでもとても意味のあることだということ、そしてそれが目の前の人、さらには多くの人たちのためにつながっていくのだと思えることができました。
どんな一つの行動でも大切にしていきたいなと。
みなさんは『星投げ人』を読んで、どんなことを思いますか?
では、最後まで読んでいただきありがとうございました。